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ジャック・タチ映画の人名録1 ジャック・コッタン

ジャック・コッタン1

連載第1回 もう一人のユロ氏

前項までの日本版Blu-ray BOX レビュー連載にお付き合いいただいた読者のみなさま、どうも有難うございました。まだまだ紹介しておきたいトリヴィアはあったのだがなあ、と悔しがっているうちに、あるアイディアが思い浮かびました。

名付けて《ジャック・タチ映画の人名録》

タチの映画のキャスト/スタッフに名を連ねた人々を1回につき1人ずつ紹介していくという連載コラムで、これなら従来あまり言及されなかった側面にスポットを当てられるでしょうし、間違いなく一定の項目数と情報量には達するはずです。プランの性質上「順不同」としますが、最後にジャック・タチ本人に項目が回帰することを今から約束しておきます。

さてその記念すべき第1回はジャック・コッタン篇です。

ジャック・コッタン2
*画面奥、白い帽子の男がジャック・コッタン

〜ジャック・コッタン〜
(Jacques Cottin/生没年不詳)

『のんき大将』はジャック・タチの処女長篇という事情もあるのでしょう、スタッフにはタチの舞台芸人時代の人脈がそのまま引き継がれている傾向が強いようです。例えばジャン・ヤトヴ(戦前はナイトクラブの指揮者→『のんき大将』では音楽担当)、アンリ・マルケ(ジャグラー→映画では脚本協力)、アンドレ・ピエルデル(奇術師→映画では美術・小道具)。本項のジャック・コッタンも戦前は本職のパントマイマーだったそうです。

さてこのコッタン氏、『のんき大将』では「衣裳デザイン」担当とクレジットされていますが、カメラの前でも重要な役――フランソワのアメリカ式「疾風」郵便配達にバイクで伴走するパン屋さん――を演じています。川に転落したフランソワを見失ったパン屋が、心細げにパフパフとクラクションを鳴らすシーンは、思い出しただけで笑えてきます。

コッタンは同じくタチの『ぼくの伯父さん』『プレイタイム』をはじめ、1991年まで正式にクレジットされただけでも21本の映画に衣裳デザイナーとして参加しました。

しかし、この連載の栄えあるトップバッターに抜擢した理由の第一は、何といってもこれです。



タチは観客があまりにも「ユロを、ユロを」と渇望することに鼻白んでしまい、「どうか他の監督もユロを自作に出演させてあげてほしい」という妙なキャンペーンに打って出ます。2014年現在、世界中でユロ氏に捧げられたオマージュはおそらく無数にあると思えますが、1970年当時このアピールに応じた奇特な映画作家はフランソワ・トリュフォーだけでした。

そしてこの動画すなわち映画『家庭』(1970年)でユロを演じているのが、ジャック・コッタンその人なのです。さすがに御大みずから出演するわけにはいかなかったのでしょうが、ではタチがなぜトリュフォー組にコッタンを派遣したのか?――このシーンを見れば理由は一目瞭然です。かつてのパントマイマーの技量はいささかも衰えていなかったわけです。

ジャック・コッタンはタチ同様、舞台(戦前)→映画(戦後)へとシフトしていったこの時代の芸人の典型例と言えるのでしょうが、その後半生のキャリアを眺めていると、ルイ・ド・フュネスの主演映画などに混じって、ピエール・グラニエ=ドフェール監督や、なかんずくクロード・ソーテ監督の作品にも衣裳デザイナーとして参画していることが分かり、一種感動を覚えます。

と申しますのも、実は筆者はタチフィルであると同時にロミイスト(女優ロミー・シュナイダー信奉者)でもありまして、そういう人間から言わせてもらえば、ジャック・コッタン氏がコスチュームを担当したクロード・ソーテ&ロミー・シュナイダーのコンビによる『すぎ去りし日の…』(1969年)『はめる/狙われた獲物』(1970年)の衣裳構成の美しさは特筆ものです。

まあ、あの『プレイタイム』を担当したわけですから、そんなの当然といえば当然のことなのでしょうが、クロード・ソーテのあの2作、つまり伝統的フランス映画の精髄ともいえる佳品においてストーリーをぐいぐい引っぱるようなコスチュームを構想し得たというのは、ジャック・コッタンの衣裳デザイナーとしての力量が、余技や道楽レベルでないことをはっきりと物語っています。

ジャック・コッタン3 はめる 狙われた獲物
*映画『はめる/狙われた獲物』より

(佐々木秀一/執筆)


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Author:タチヨン
日本ではたぶん唯一のファンサイト「ジャック・タチの世界」を運営しています。フィルモグラフィetc.は、そちらをご覧ください。
タチの人生を詳細に描き出した評伝「TATI―“ぼくの伯父さん”ジャック・タチの真実」もヨロシクお願いします。タチ関連の情報があれば、ゼヒお知らせくださいませ。

連絡先:tati@officesasaki.net

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